ついに日銀がクジラを超えた
こんにちは、ユウです。
今日は、つい昨日ニュースになっていた日銀のETFの買い入れについて話したいと思います。
その内容というのは、日銀が金融緩和政策の一環として行っている「ETF購入」について、ついにこれまで最大の保有主であったGPIFを超えたという記事です。
まず、GPIFというのは「年金積立金管理運用独立行政法人」の略で、私たちが毎月払っている年金を運用している機関であります。
経済系のニュースでは頻繁に出てくる団体ですが、これから少子高齢化が進み、年金が必要となる人が増えてくるため、運用により収益を増やしていくことで需要を賄うという目的の為に存在しています。
2020年12月の時点では、このGPIFの日本株式市場における運用残高というのが実に、約45兆2700億円(日経新聞より)ありました。
この金額だけでも、相当に大きいものですが、日銀の同運用残高がこの金額を超えたため、GPIFに代わり日本株式市場における最大株主となったのです。
まず、ETFについてご説明します。
ETFは「上場投資信託」と呼ばれるもので、いわゆる私たちが株式と読んでいるもの、
つまり「トヨタ自動車(株)」や「ソフトバンクグループ(株)」といった個別の会社の株ではなく、それらの上場している株式会社の全体に投資を行う商品です。
つまり、業績の良し悪し、あるいは個別の株式の割高、割安といったファンダメンタルに関係なく、日本株式全体に投資をするものになっているのです。
このコロナ禍の中、本来であれば景気が落ち込んでいる、あるいは今後落ち込んでいくだろうという予想から株価は下がってもおかしくないのですが、ここにきて上昇し続けているのにはこの政府によるETFの購入があったのです。
株価というのは、あくまで買いたい人と売りたい人の意思によって決まります。
どれだけ景気が悪かろうと、業績が悪かろうと、「買いたい人」がいれば株価は上がっていくのです。
しかし、これは非常に大きなリスクをはらんでいます。
何故ならば、株価上昇の要因が日銀のETFの購入である以上、もし日銀が購入を辞めるあるいは売り出した時に、暴落する危険性を秘めているからです。
30年ほど前、日本経済はバブルに沸いていました。不動産・株価が急激に上がり、それで儲けた人が、借金をしてさらに買っていくことで実態とはかけ離れた異常な価格が形成されていきました。
有名な話ですが、「東京の山手線内の土地でアメリカ合衆国の全土が買える」と言われるまでに地価が高騰しました。
普通に考えておかしいですよね?
しかし、買えば上がるという循環の中では、そういった冷静な考えができなくなるのです。
私は、今回の株価上昇はバブルとは少し意味合いが違うと思いますが、「いつかは限界が来る」という点においては、全く同じだと思っています。
今、日本の財政は「世界最悪水準」と言われています。政府の負債は、GDPの2倍以上まで膨れ上がっていて、スーダンを抜いて堂々の世界ワースト1位です。
そんな中で、何故これだけの資金を株式に投入できるのでしょうか?
理由はただ一つ、「日銀がどんどんお金を刷っているから」です。
日銀は中央銀行なのだから、「お金が無ければ作れば良い」ということです。
なんでもそうですが、ありふれたモノというのは価値が薄まっていきます。お金も例外ではなく、無尽蔵に増やせば円の価値というのは下がっていきます。
円という通貨は世界的に見てもかなり大きな規模の通過です。そのため、多少お金を多く刷ったところでは価値には影響しません。
しかし、永遠には続かないので、いつかは限界を迎えるのです。
2021.2.6