こんにちは。今日は雨が降り止まないですね。

さて、前回は「株価が安くなっているときがチャンス」という話をしました。

じゃあ、今安くなっている銘柄に全額突っ込めばいいのかというとそれも違います。

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例えば、日産自動車(7201)。現在の株価は369円(5月15日時点)です。一年前が800円近くだったことを考えると実に1年で53%下落したことになります。これは相当ひどい状態です。これだけの大手企業になるとなおさらです。

これを見ると、

「これだけ安くなっているんだから、もう下がらないはず!!」

ということで、思い切って大きなロットで買ってしまうことがあります。

確かに「下落幅」だけ見ると、800円から400円以下まで下落したのですから、感覚的には下がりすぎな感じがします。400円から仮にさらに300円下がったとしたら100円になってしまいます。そこまでは下がらないだろうと思ってしまうのは普通の感覚です。

ただ、株価もそうですが、大事なのは「下落率」なのです。

つまり、仮に100万円分の日産の株を買うとして、

❶800円の場合→1,000,000÷800=1250 つまり1200株買えます。それが仮に100円下がってしまった場合、損失は 1200×(-100)=-120,000円となります。

それでは、株価が400円の時に100万円分の株を買って同じように100円下がった場合はどうでしょう。

❷1,000,000÷400=2,500株買えます。単純に倍の株数が買えたことになりますが、100円下がった時の損失は、 2,500×(-100)=-250,000円と、損失も倍になるのです!

つまり、株価が安くなった場合、同じ投資金額だと株数が多く買えてしまうので、単純に株価が同じ金額下がった場合はダメージが大きいのです。

これは、投資をする時に見落としがちな点です。

ではどうすればいいのか?

私は2つ対策があると思っています。 

それは、①時間分散 ②銘柄分散です。

①時間分散に関して、これは、安くなった段階で株を買う時に、100万円一気に買うのではなく、まず50万円分を買います。その後株価が上がっていってそれが60万円、70万円となっていけばもちろんそれでOKです。しかし、株価が下がってしまった場合、残りの50万円でもう一度買うことで平均の取得単価を下げることができるのです。

これを「ナンピン買い」と言います。ドルコスト平均法とも呼ばれます。

例えば株価1万円のものがあったとして、

a.100万円一度に投資した場合→取得株数100株、取得単価1万円        

b.株価1万円の時に50万円投資、株価5000円に下がった時50万円投資した場合→取得株数 (500000÷10000) +(500000÷5000)=150株、取得単価(10000+5000)÷2=7500円となり、取得株数、取得単価共に、一度に買うよりお得になります。

次に②銘柄分散ですが、これは時間分散の考え方を他の銘柄購入に当てはめることでリスク分散を図ることです。

つまり、比較的株価が安くなっている株式会社Aと株式会社Bがあったとして、同じタイミングか近いタイミングでA社に50万円、B社に50万円投資するというやり方です。

これも安い株価がさらに下がってしまった時に、有効な投資手法です。

もちろん、確信を持っている時には一つの会社に全力投資することも悪くないのですが、単純にリスクを避けるという意味では上の2つの手法は非常に有効です。っていうか投資の王道中の王道です。

ただ、デイトレーダーのように何十万円と稼ぎたい方に関してはこの手法は全く適していません。

あくまで、中長期でコツコツ利益を出していきたい方が用いる手法です。

(2020.5.17)